カラカルについて徹底解説! 特徴、歴史、性格について

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当記事では、カラカルについて解説しています。特徴、歴史、性格についてまとめているので、興味のある方は是非最後までご覧ください。

カラカルの特徴

学名Caracal caracal

哺乳網食肉目ネコ科カラカル属に分類される食肉類

分布(中東、アラビア半島、アフリカ大陸、ウズベキスタン、インドなど。)

体長62~106㎝ 尾長18~34㎝ 肩高38~50㎝ 体重6~20㎏

生態 ・短毛で、地色は赤褐色または黄灰色で、顎、胸、腹にかけて白色である。

   ・耳介は大型で背面が黒く、先端には約4.5㎝の長く黒い房毛がある。

   ・後肢は前肢より長く、筋肉が発達しているので、大きくジャンプすることができる。

   ・サバンナや草原、森林、低木林、半砂漠、丘陵地など、主に乾燥した地域に生息する。

   ・通常は夜行性だが、昼間にも活動することがある。

   ・縄張りを作って生活し、尿や糞でマーキングを行うといわれている。

   ・メスの行動圏よりオスの行動圏の方が広い。乾燥した地域では行動圏が広くなる傾向がある。

   ・基本的に繁殖期を除いて単独で行動することが多い。

   ・繁殖期は特に決まっていないが、一般的に8~12月に繁殖することが多いといわれている。

   ・妊娠期間は2~3ヶ月で、一度に1~6頭を出産する。出産のピークは一般的に10月~2月。

   ・出産は樹洞やヤマアラシやツチブタなどの動物が捨てた巣穴を利用して行われる。

   ・幼獣は生後10日で開眼し、生後1ヶ月で固形物を食べ始め、生後9~10ヶ月で自立する。

   ・気温が20℃を下回ったときが最も活動が活発化するという研究結果が出ている。

   ・獲物を捕らえる時には、5m以内の距離まで近づいてから素早く走り、飛び掛かって捕らえる。

   ・主に小型の哺乳類や鳥類を捕食する。大型のカモシカや爬虫類、昆虫を捕食することもある。

カラカルの歴史

北アフリカ、中東、中央アジアに残されていた古代の文献や神話、物語にはカラカルらしき動物がよく登場し、多くの場合、神聖な存在として崇められていた。古代エジプト神話においてカラカルは女神バステトと密接な関係にあるとされ、宗教的に重要な存在として大切にされていた。古代エジプトの文献では、[砂漠の炎]と呼ばれ、その獰猛な狩りのやり方から古代エジプトではカラカルは戦いの象徴であり、家庭の守護者であると考えられていた。古代エジプトの遺跡からは絵画やブロンズ像、防腐処理(ミイラ化)されたカラカルなどが発掘されている。13~14世紀には中国の元王朝の王族たちが、金、銀、絹などの多くの貴重品と引き換えにインドのデリー・スルターン朝*1イスラム教徒の商人からカラカル、トラ、チーターを購入していた。明実録によると、その後の明王朝*2もデリー・スルターン朝との貿易で、カラカルチーターなどの猛獣を購入していた。「カラカル」という名前は、1761年にジョルジュ・ビュフォン*3によって提案され、「黒い耳」を意味する。1776年にはヨハン・シュレーバー*4がオオヤマネコ属またはネコ属に分類し、「Caracal caracal」という正式な学名がつけられた。1843年になると、ジョン・エドワード・グレイ*5カラカル属に分類することを提案し、2006年に発表された分子系統解析では、カラカルはアフリカゴールデンキャットと共通の祖先を持つことが判明し、現在、この2種はカラカル属に分類されると考えられている。19世紀~20世紀にかけて、いくつかの動物標本*6が記載され、亜種として提案された。現代では、ミナミカラカルキタカラカル、アジアカラカル3亜種に分けるのが有力だとされているが、8亜種に分ける説や11亜種に分ける説もある。2002年以降、レッドリストには低危険種*7として記載されているが、ウズベキスタンカザフスタンでは、絶滅危惧種*8に指定されている。現在、アフガニスタン、インド、パキスタンアルジェリア、トルコ、エジプトなどの国々でカラカルの狩猟が禁止されている。日本では、1981年に神戸市立王子動物園*9で初めて飼育下繁殖に成功し、現在、日本では特定動物に指定されている。

カラカルの性格

警戒心が強いが、他の猛獣と獲物を奪い合うなど獰猛な一面も。

俊敏で知能が高いため、ネコ科の中でもトップクラスに狩りが上手い。

飼育下では、人懐っこくアクティブな子が多いといわれている。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。今回はカラカルについて解説しました。カラカルは古くから人々に親しまれ、特にアフリカ、中東、アジアの古代宗教では神聖な動物として扱われることも少なくありませんでした。現代では、全体の数は安定しているが、国によっては狩猟が禁止されており、保護活動が進められています。

*1:約320年間、デリーを拠点として北インドを支配した5つのイスラーム王朝の総称。奴隷王朝→ハルジー王朝→トゥグルク王朝→サイイド王朝→ロディー朝

*2:1368年に朱元璋が建国した漢民族の王朝、1644年に李自成の反乱によって滅亡した。

*3:フランスの博物学者、数学者、植物学者。1734年にフランス科学アカデミーに入会。1739年にパリ植物園の管理者になった。

*4:ドイツの動物学者、博物学者。1791年~1810年までドイツ自然科学アカデミー・レオポルディーナの会長を務めた。1787年スウェーデン王立科学アカデミー、1795年に王立教会の会員に選ばれた。

*5:イギリスの動物学者。1840年~1874年まで大英博物館の動物学部門キュレーターを務めていた。新種を含む動物などを載せた博物館の収蔵品カタログを数冊出版している。

*6:科学的使用のために保存された動物または動物の一部。例:鳥類や哺乳類の研究用皮膚、骨格材料、剝製など。

*7:IUCN(国際自然保護連合)で定められた保全状況の1つ。絶滅の恐れもなく、近い将来絶滅に瀕する見込みが低い種である。

*8:IUCN(国際自然保護連合)で定められた保全状況の一つ。絶滅の危機にある種である。

*9:兵庫県神戸市灘区の王子公園内にある動物園。