猫にまつわる迷信について、日本・海外それぞれ7選ずつ!+猫に関する雑学3選!

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当記事では、猫にまつわる迷信・言い伝え・トリビアついて、日本・海外それぞれ7選ずつ紹介しています。おまけで3選だけ世界の猫に関する雑学についても書いているので、猫好きの方は是非最後までご覧ください。

 

猫に関する迷信・言い伝え・トリビア(日本)

  1. 死者に猫が憑く・・・岐阜県高山市丹生川町では、昔、猫が死体を跨ぐと「ムンネコ」が乗り移り、死者が踊り出すという言い伝えがあり、そのため、葬式の時は猫を人に預ける。死者の枕に刃物を置いて、猫除けにするなどといった風習があった。
  2. 猫神・・・宮城県仙台湾に浮かぶ田代島では、「猫神様」が島内の猫神社で祀られており、猫神は大漁の守護神とみなされている。同島には昔から犬が存在せず、島内への犬の持ち込みも島民から拒否されている。
  3. 幸運のかぎしっぽ・・・かぎしっぽの猫は幸運を運んでくるとして、昔から重宝されてきた。長崎にはかぎしっぽの猫が多く、これは鎖国していた江戸時代にオランダ船が中国南部や東南アジアから連れてきた、かぎしっぽの猫がそのまま住み着いたからだとされている。
  4. 猫又・・・日本の民間伝承や随筆、怪談に登場する猫の妖怪。猫又は大きく分けると、家で飼われていた猫が年老いて化けたものと、山中に住んでいて人々を襲うとされるものの2種類いる。日本で初めて猫又の名が登場したのは、藤原定家の日記である『明月記』だとされている。
  5. 黒猫は縁起がいい?・・・江戸時代における黒猫は幸運の象徴であり、カラスと並び縁起物として大切にされていた。さらに、幕末では黒猫を飼うと結核が治ると信じられていた。最古の招き猫は黒猫であり、招き猫の中でも特に縁起がいいとされ、厄除けや商売繫盛の力があるとされている。
  6. 黒猫は不吉?・・・元々、黒猫は幸運の象徴であったが、海外の文化が入ってくると縁起の悪い存在として扱われるようになった。有名な迷信で「黒猫が横切ると不吉」という言い伝えがある。この迷信の起源について様々な説があるが、最も有力な説として、黒猫は幸運の象徴であり、その黒猫が通り過ぎると幸運も逃げてしまうためというものがある。
  7. 猫が顔を洗うと雨になる・・・これは昔から囁かれている言い伝えだが、猫のヒゲはセンサーとしての役割もあり、湿度や気圧の変化を感じ取ることができるとされている。一説によると、雨が近づくと湿気が多くなり、ヒゲは水分を含んで重くなるため、水分を取ろうとして、顔を洗う仕草に繋がるのではないかといわれているが、科学的根拠は乏しいとされている。

 

ネコに関する迷信・言い伝え・トリビア(海外)

  1. 猫のくしゃみを聞くと幸運が訪れる(イタリア)・・・イタリアで飼っている猫がくしゃみをすると金運が上がり、花嫁が結婚式の日に猫のくしゃみを聞くと、結婚が良いものになるとされている。しかし、猫がくしゃみを3回すると、運気が下がるといわれているので注意が必要。
  2. 黒猫は『魔法の猫』(フランス南部)・・・黒猫はフランス南部では魔法の猫だとされ、ちゃんと餌を与え、リスペクトを持って接する飼い主には幸運を運んでくるといわれている。
  3. 濡れた猫は雨を降らせる(インドネシア)・・・インドネシアの一部の間では、猫はよく天気と結び付けられており、猫を濡らすと雨が降るという迷信が存在する。そのため、雨を降らせたい人々は猫をお風呂に入れようとする。
  4. 白猫は幸運の象徴(アメリカ)・・・アメリカでは昼に道中で白猫を見かけると縁起が良いとされ、夢の中に白猫が出てくるのも良いことが起きる前触れだといわれている。しかし、夜道で白猫を見かけるのは縁起が悪いとされている。
  5. 猫は噂好き(オランダ)・・・オランダには猫が噂を広めているという迷信があり、猫は人の秘密を周囲に言いふらすと考えられている。そのため、猫が近くにいる場合はプライベートや秘密に関することはを話すのは控えるべきとされている。
  6. 猫に九生あり(エジプト、ヨーロッパ)・・・この迷信(ことわざ)は主にヨーロッパ圏で広く知られ、英語では『a cat has nine lives』という。 起源については曖昧だが、1553年にイギリスのウィリアム・ボールドウィンによって書かれた小説、『Beware The Cat(猫にご用心)』では「『 a witch may take on her a cats body nine times(魔女は猫の姿を9回借りられる)」という一節が登場し、世界的名作として知られるウィリアム・シェークスピアの作品『ロミオとジュリエット』にも猫の九つの命について言及する場面がある。このことから16世紀頃にはこのような迷信が根付きつつあったと考えられる。
  7. ケット・シー(アイルランド)・・・アイルランドの伝承に登場する妖精の一種であり、「ケットは猫、シーは妖精」を意味する。彼らの外見は通常、「胸毛の白い黒猫」だと言われているが、実際にはもっと多種多様な毛色の個体が存在しているらしい。人前では普通の猫のふりをしている。二足歩行も得意だとされ、大きいものだと大型犬くらいの個体も存在し、賢いものは二か国語以上話すこともできるとされている。この世のどこかに彼らの王国が存在するとされている。

猫に関する雑学

  1. 豊臣秀吉は猫好き・・・天下統一を果たした豊臣秀吉は飼い猫を非常に可愛がっており、1593年(文禄2年)の某日、大阪城にて秀吉の愛猫が行方不明になってしまった。秀吉は直ちに五奉行の一人である浅野長吉(浅野長政)に捜索を命じたが、猫を発見することはできず、困り果てた長吉は野々口五兵衛に「あなたの虎毛の猫を借りたい」という書状を送った。この事件の結末は記録されておらず、結局、秀吉の飼い猫見つかったのかは分からず終いとなっている。
  2. ケンブリッジ大学の学寮では猫が飼える・・・イギリスのケンブリッジ大学の学寮では「犬の飼育は禁止だが、猫は飼育はOK」というルールがあり、複数の寮で猫が飼われている。
  3. 8月8日は世界猫の日・・・この記念日は2002年にカナダの国際動物福祉基金(IFAW)によって制定された。世界猫の日の趣旨について諸説は数多く存在するがIFAW側はこの記念日を制定した目的について、明確な公言はしていない。2020年以降、世界猫の日の管理運営はイギリスの非営利団体「インターナショナルキャット・ケア」に引き継がれた。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。今回は猫に関する迷信・雑学についてまとめました。猫は昔から馴染み深い動物であり、数多くの迷信が信じられて来ました。しかし、ほとんどの迷信には科学的根拠がありません。

『サバンナの掃除屋』ハイエナについて解説! 特徴、歴史、性格、種類などについて!

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当記事では、ハイエナについて解説しています。特徴、歴史、性格、種類などについて解説しています。ハイエナについて詳しく知りたい方は是非最後までご覧ください。

ハイエナの特徴

哺乳網食肉目ハイエナ科に属する動物の総称である。

分布(コンゴ盆地およびサハラ砂漠を除くアフリカ、中東、モロッコ、インド、パキスタン、ネパール南部など)

体長55~165㎝ 体重9~86㎏ 

生態 ・現代では、ハイエナ科は4種に分けられている。

   ・イヌに似ているがハイエナ科はジャコウネコ科と近縁であるとされている。

   ・収束進化した結果、イヌ科に近い形態学的特徴を持つようになった。

   ・ネコ科動物のようにグルーミング(毛づくろい)をすることが多い。

   ・サバンナ、低木林、林縁の砂漠、半乾燥地帯などに生息している。

   ・基本的に夜行性で、昼間は穴や岩の隙間などで休息している。

   ・単独で行動する種もいれば、高い社会性を持ち群れを形成する種もいる。

   ・ネコ科動物のようにグルーミング(毛づくろい)をすることが多い。

   ・アードウルフ以外の種は強力な顎と頭蓋骨を持ち、食性に適した消化器形を持つ。

   ・嚙む力がとても強いので骨を噛み砕き、有機成分を消化吸収することができる。

   ・角、骨、蹄など消化できないものはペリットとして吐き戻す。

   ・鼻が良く、ニオイをたどって死肉などの餌を見つけることができる。

   ・ハイエナは短い期間で短い交尾を数回に渡り行う。

   ・ハイエナの最高時速は60㎞以上といわれている。

   ・狩りの成功率は60~70%といわれており、優れたハンターとされている。

   ・最大の天敵はライオンで、獲物を横取りされることも多い。

   ・雑食性で中型から大型の有蹄類、昆虫、鳥類、魚類、死肉、果物などを食べる。

ハイエナに関する伝承と歴史

アジアやアフリカの神話や民間伝承などにはハイエナがしばしば登場しているが、国や地域によってハイエナに対するイメージが大きく異なる。例えば、東アフリカのタブワ神話では、太陽を運んで地球を暖めてくれたありがたい存在として描写されているが、西アフリカの民間伝承では、ハイエナは不道徳、穢れの象徴として非常に否定的な目で見られることが多い、タンザニアでは、ハイエナは魔女の乗り物として使用されると信じられている。中東の文学や民間伝承では、裏切りや愚かさの象徴として描かれていおり、中東の遊牧民の間では、ハイエナはジンの化身とされ、ジンやカフタル*1と遭遇する神話や伝承が数多く存在している。アフガニスタンパレスチナ、インドにおけるハイエナのイメージはより多様であり、悪の象徴として恐れられることもあれば、愛と豊穣の象徴としての側面も持ち、昔の人々は様々な薬の材料として、ハイエナの肉体を利用していた。生殖器は愛の薬とされ、舌は腫瘍の治療薬として有効だと考えられていた。これらの風習は古代ギリシア古代ローマの時代からあったとされている。ハイエナは雄雌の外見上の区別が困難なため、両性具有であるという説も徐々に囁かれるようになり、古代から近代まで、ハイエナが両性具有であるか否かという論争がたびたび起こっていた。古代ギリシアの哲学者アリストテレスは著書『動物誌』で「ハイエナが両性具有である」という主張を否定した。しかし、古代ローマ博物学プリニウスは著書『博物誌』で「ハイエナは両性具有で交尾をしなくても出産できる。」と主張した。中世のキリスト教の間では、神を信仰しているのかいないのかはっきりしない中途半端な人に対して、ハイエナという蔑称が使用された。現代では、ハイエナが両性具有であるという完全に説は否定されている。

 

ハイエナの進化の過程

約2200万年前~1500万年前— ハイエナの最初の祖先は中新世のユーラシア大陸のジャングルで誕生した。この頃のハイエナのほとんどは樹上性で、アフリカのジャコウネコに似ていたしていたとされている。記載されている最古種のハイエナは中新世前期および中期の「Plioviverrops」、「Tungurictis」、そして「Protictitherium」である 。PlioviverropsとProtictitheriumはおそらく西アジアで誕生し、中新世中期以降、ヨーロッパと西アジアに広がっていった。Plioviverropsの系統は北米のイヌ科動物に近い進化を遂げ、外見もイヌ科動物に近くなっていった。その後、ハイエナたちは大きく分けて2つの異なるタイプに分かれた。一つは初期のジャコウネコ似た比較的小型なタイプのハイエナ(イクティテリウム亜科)、もう一つは現代の系統(ハイエナ亜科)である。約1500万年前~— 1500万年前、イクティテリウム亜科のハイエナは最盛期を迎え、30種類以上存在していたと考えられている。この時代の一部の化石遺跡では、イクティテリウム亜科のハイエナの化石が、他の肉食動物の化石を合わせた数より多く採掘されている。中新世後期には現代の系統であるハイエナ亜科が出現し始めたとされている。

 

約700万年~現代— 500~700万年前頃から気候変動の影響により、イクティテリウム亜科のハイエナは衰退し始め、さらに、イヌ科動物がアメリカ大陸からベーリング地峡を渡ってユーラシア大陸に到来したことで状況が悪化した。鮮新世になるとハイエナ科のほとんどはユーラシア大陸・アフリカ大陸に分布が限られている中で唯一、走るのに適した形態であるChasmaporthetes属だけがベーリング地峡を介して北アメリカまで分布を広げることに成功した。しかし、Chasmaporthetes属も更新世中期には絶滅してしまった。現代の系統であるハイエナ亜科は気候変動とイヌ科動物の到来を生き延び、イクティテリウム亜科を一掃したが、北米を渡ることはなかったといわれている。500万年前までにハイエナ亜科はユーラシア大陸で主要な腐肉食動物となり、主にマカイロドゥス亜科が狩った大型草食動物の死骸を食べていた。鮮新世までにイクティテリウム亜科のハイエナのほとんどは絶滅してしまい、イクティテリウム亜科の系統の内、生き残ったのは食虫性のアードウルフだけだとされている。

ハイエナの性格

・身体能力がとても高く、知能も霊長類と同等を誇るといわれている。

・仲間意識が強く、普段群れを作らない種も狩りなどでは協力することがある。

・飼育下の個体は人懐っこいが、野生下の個体は獰猛で攻撃的だとされている。

ハイエナの種類

アードウルフ・・・基本的に単独で行動し、縄張りを形成して生活している。

         昆虫食で、一晩で20万匹以上のシロアリを食べることもある。

         ハイエナ科最小種。繫殖期には一夫一妻の番をつくる。

 

カッショクハイエナ・・・時速4㎞で歩行するが、時速40~50㎞で走行することもできる。

            野生下では、カラハリ砂漠で12年以上の生存例が報告されている。

            主に動物の死骸を食べるが、甲虫類、鳥類の卵、果実などもも食べる。

            

シマハイエナ・・・ハイエナ科の中で唯一ユーラシア大陸にも分布している。

         単独で行動し、広大な縄張りを持つ。昼間は岩の隙間などで休む。

         外敵が近づくと、全身の毛を逆立て威嚇をする。

 

ブチハイエナ・・・12種類の鳴き声を使い分けていると考えられている。

         ハイエナ科最大種。雄より雌の方が一回り大きく攻撃性が高い。

         社会性が高く、10~15頭程度のクランと呼ばれる母系の群れを作る。

 

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。今回はハイエナについて解説しました。初期のハイエナ(イクティテリウム亜科)はジャコウネコに近く、現代のハイエナと比べると小型タイプだった。現代の顎の力が強いハイエナ(ハイエナ亜科)は気候変動を生き延び現在まで続いている。ハイエナは一般的に意地汚いなど悪いイメージを持たれるが、実際のハイエナは優れたハンターであり、頭が良く、高い身体能力を誇る。

 

*1:半分人間で半分ハイエナ。子どもを襲い食べる習性がある。

カラカルについて徹底解説! 特徴、歴史、性格について

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当記事では、カラカルについて解説しています。特徴、歴史、性格についてまとめているので、興味のある方は是非最後までご覧ください。

カラカルの特徴

学名Caracal caracal

哺乳網食肉目ネコ科カラカル属に分類される食肉類

分布(中東、アラビア半島、アフリカ大陸、ウズベキスタン、インドなど。)

体長62~106㎝ 尾長18~34㎝ 肩高38~50㎝ 体重6~20㎏

生態 ・短毛で、地色は赤褐色または黄灰色で、顎、胸、腹にかけて白色である。

   ・耳介は大型で背面が黒く、先端には約4.5㎝の長く黒い房毛がある。

   ・後肢は前肢より長く、筋肉が発達しているので、大きくジャンプすることができる。

   ・サバンナや草原、森林、低木林、半砂漠、丘陵地など、主に乾燥した地域に生息する。

   ・通常は夜行性だが、昼間にも活動することがある。

   ・縄張りを作って生活し、尿や糞でマーキングを行うといわれている。

   ・メスの行動圏よりオスの行動圏の方が広い。乾燥した地域では行動圏が広くなる傾向がある。

   ・基本的に繁殖期を除いて単独で行動することが多い。

   ・繁殖期は特に決まっていないが、一般的に8~12月に繁殖することが多いといわれている。

   ・妊娠期間は2~3ヶ月で、一度に1~6頭を出産する。出産のピークは一般的に10月~2月。

   ・出産は樹洞やヤマアラシやツチブタなどの動物が捨てた巣穴を利用して行われる。

   ・幼獣は生後10日で開眼し、生後1ヶ月で固形物を食べ始め、生後9~10ヶ月で自立する。

   ・気温が20℃を下回ったときが最も活動が活発化するという研究結果が出ている。

   ・獲物を捕らえる時には、5m以内の距離まで近づいてから素早く走り、飛び掛かって捕らえる。

   ・主に小型の哺乳類や鳥類を捕食する。大型のカモシカや爬虫類、昆虫を捕食することもある。

カラカルの歴史

北アフリカ、中東、中央アジアに残されていた古代の文献や神話、物語にはカラカルらしき動物がよく登場し、多くの場合、神聖な存在として崇められていた。古代エジプト神話においてカラカルは女神バステトと密接な関係にあるとされ、宗教的に重要な存在として大切にされていた。古代エジプトの文献では、[砂漠の炎]と呼ばれ、その獰猛な狩りのやり方から古代エジプトではカラカルは戦いの象徴であり、家庭の守護者であると考えられていた。古代エジプトの遺跡からは絵画やブロンズ像、防腐処理(ミイラ化)されたカラカルなどが発掘されている。13~14世紀には中国の元王朝の王族たちが、金、銀、絹などの多くの貴重品と引き換えにインドのデリー・スルターン朝*1イスラム教徒の商人からカラカル、トラ、チーターを購入していた。明実録によると、その後の明王朝*2もデリー・スルターン朝との貿易で、カラカルチーターなどの猛獣を購入していた。「カラカル」という名前は、1761年にジョルジュ・ビュフォン*3によって提案され、「黒い耳」を意味する。1776年にはヨハン・シュレーバー*4がオオヤマネコ属またはネコ属に分類し、「Caracal caracal」という正式な学名がつけられた。1843年になると、ジョン・エドワード・グレイ*5カラカル属に分類することを提案し、2006年に発表された分子系統解析では、カラカルはアフリカゴールデンキャットと共通の祖先を持つことが判明し、現在、この2種はカラカル属に分類されると考えられている。19世紀~20世紀にかけて、いくつかの動物標本*6が記載され、亜種として提案された。現代では、ミナミカラカルキタカラカル、アジアカラカル3亜種に分けるのが有力だとされているが、8亜種に分ける説や11亜種に分ける説もある。2002年以降、レッドリストには低危険種*7として記載されているが、ウズベキスタンカザフスタンでは、絶滅危惧種*8に指定されている。現在、アフガニスタン、インド、パキスタンアルジェリア、トルコ、エジプトなどの国々でカラカルの狩猟が禁止されている。日本では、1981年に神戸市立王子動物園*9で初めて飼育下繁殖に成功し、現在、日本では特定動物に指定されている。

カラカルの性格

警戒心が強いが、他の猛獣と獲物を奪い合うなど獰猛な一面も。

俊敏で知能が高いため、ネコ科の中でもトップクラスに狩りが上手い。

飼育下では、人懐っこくアクティブな子が多いといわれている。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。今回はカラカルについて解説しました。カラカルは古くから人々に親しまれ、特にアフリカ、中東、アジアの古代宗教では神聖な動物として扱われることも少なくありませんでした。現代では、全体の数は安定しているが、国によっては狩猟が禁止されており、保護活動が進められています。

*1:約320年間、デリーを拠点として北インドを支配した5つのイスラーム王朝の総称。奴隷王朝→ハルジー王朝→トゥグルク王朝→サイイド王朝→ロディー朝

*2:1368年に朱元璋が建国した漢民族の王朝、1644年に李自成の反乱によって滅亡した。

*3:フランスの博物学者、数学者、植物学者。1734年にフランス科学アカデミーに入会。1739年にパリ植物園の管理者になった。

*4:ドイツの動物学者、博物学者。1791年~1810年までドイツ自然科学アカデミー・レオポルディーナの会長を務めた。1787年スウェーデン王立科学アカデミー、1795年に王立教会の会員に選ばれた。

*5:イギリスの動物学者。1840年~1874年まで大英博物館の動物学部門キュレーターを務めていた。新種を含む動物などを載せた博物館の収蔵品カタログを数冊出版している。

*6:科学的使用のために保存された動物または動物の一部。例:鳥類や哺乳類の研究用皮膚、骨格材料、剝製など。

*7:IUCN(国際自然保護連合)で定められた保全状況の1つ。絶滅の恐れもなく、近い将来絶滅に瀕する見込みが低い種である。

*8:IUCN(国際自然保護連合)で定められた保全状況の一つ。絶滅の危機にある種である。

*9:兵庫県神戸市灘区の王子公園内にある動物園。

『世界で2番目に大きい鳥類』エミューについて詳しく解説!特徴、歴史、性格、価格について

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当記事では、エミューについて解説しています。特徴、歴史、性格、価格についてまとめているので、興味のある方は是非最後までご覧ください。

エミューの特徴

学名 Dromaius novaehollandiae

鳥網ヒクイドリヒクイドリエミュー属に分類される鳥類

分布(オーストラリア)

体高160~200㎝ 体重40~60㎏ 寿命20~30年(飼育下では30年以上生きる場合も)

生態 ・現存する鳥類の中で2番目に大きいといわれている。

   ・羽が退化しているので飛べず、二足歩行で移動をする。

   ・頸から頭部にかけて比較的長い羽毛が生えている。

   ・雄雌で鳴き声が異なり、雄は「ヴー、グー」と低い鳴き声を出し、雌は「ボン……ボボン」とドラムのような鳴き声を出す。

   ・視力と聴覚が優れており、遠くにいる敵の存在も感知することができる。

   ・泳くことができるが、洪水が起こった時や川を渡る時以外、泳ぐことはあまりない。

   ・足がとても速く、最高時速は約50㎞/hといわれている。

   ・速く走る時に体を安定させるために、翼を羽ばたかせる場合がある。

   ・水は基本的に一日一回しか飲まないが、機会があれば大量に摂取する。

   ・食事の際は小さな石を飲み込んで、植物などの餌を粉砕し消化を助ける。

   ・12月~1月にかけて繁殖ペアを作り、交配は通常4月~6月の間に行われる。

   ・求愛期間中、雌は攻撃的になり、雄をめぐって争うことも多い。

   ・地面のくぼみに草、木の棒、葉、樹皮を使って巣を作る。

   ・一つの巣に複数のエミューが卵を産むことがある。その数は通常15~25個。

   ・卵が孵化するまで約8週間かかり、雄が飲まず食わずで抱卵する。

   ・雑食性で主に昆虫、果実、種子、草を食べる。

   

エミューの歴史

エミューがヨーロッパ人によって初めて発見されたのは、1696年にウィレム・デ・ヴラミング率いるオランダの遠征隊が、2年前に行方不明になったリーダーシップ・ファン・ホランド号の生存者を探すために、ニューホランド(現在のオーストラリア)の西海岸を訪れた時だとされている。イギリスによる植民地支配が本格化した1788年より前には既に東海岸でもエミューの生息が確認されるようになっていた。エミューは1789~1790年にかけて出版されたアーサー・フィリップの著者[Voyage to Botany Bay]で「New Holland cassowary」として初めて言及された。この種は後に、アーサーの本の作成に協力したジョン・レイサムによって現在の名前(Dromaius novaehollandiae)に改名されている。1816年に出版されたルイ・ピエール・ヴィエロットの著書[Analyse d'une nouvelle ornithologie élémentaire]ではエミューについて説明する際に、最初は「Dromiceius」という属名が使用され、後の方では「Dromaius」という属名が使用されている。どちらの綴りを使うべきかは現代でも論争になっているが、分類学の慣習では、明らかな誤植でない限り、名前がそのまま残される。オーストラリア政府のものを含む現代の出版物のほとんどが「Dromaius」の方を使用しており、「Dromiceius」は代替スペルとして言及されている。ヨーロッパ人が入植した当時、カンガルー島、タスマニア島、キング島にもエミューの亜種が生息していたが、現代では絶滅してしまったといわれている。1932年には西オーストラリア州キャンピオン地区でエミューが農地を侵食し始め、小麦などの作物を食い荒らし問題となっていた。そこで、オーストラリア軍が派遣され、エミュー戦争が勃発することとなった。この戦争は最終的にエミュー側の勝利と言える結果に終わっている。

エミューの性格

人に対しては素直で温厚な個体が多いといわれている。*成体は懐きにくい傾向にある

臆病なため、大きな音を聴くとパニックになることがある。

犬猫などの動物に対しては警戒心が強く攻撃的になる場合がある。

エミュー価格

雛は5~10万円 成体は20万円~・・・

エミューを飼育している牧場から飼うのが一般的だが、エキゾチックアニマル専門のペットショップでもたまに販売してることがある。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。今回はエミューについて解説しました。エミューオーストリアの固有種であり、飛ばない鳥の一員で2番目に大きい鳥類と知られています。人間との関わりも深く、日本ではペットとして飼うこともできます。

【エキゾチックアニマル】日本で飼える珍しい動物7選!性格や生態について解説。

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当記事では、日本で飼えるエキゾチックアニマルを7選紹介しています。気を付けたほうがいい法律や飼うときの注意点、それぞれの生態や性格、価格などについてまとめているので、エキゾチックアニマルに興味がある、飼ってみたいという方は是非最後までご覧ください。

エキゾチックアニマルとは】

公益社団法人日本獣医学会などにおいて使用される「犬猫を除くすべての飼育動物」に対する総称又は「一般的なペットとして飼われている動物以外で、特に外国産の動物や野生由来の動物」。エキゾチックとは「異国風の、風変わりな、外国の」という意味です。

動物愛護管理法とは】

正式名称は「動物の愛護及び管理に関する法律」で、昭和48年に法律として制定されました。平成11、17、24年、令和元年に法改正が行われています。この法律の目的は、動物の愛護と適切な管理(危害や迷惑の防止)などです。対象は家庭動物、展示動物、産業動物、実験動物など人が占有する動物で、罰則は懲役5年又は500万円以下の罰金です。

【鳥獣保護管理法とは】

正式名称は鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」で、昭和38年に基本的な形が整い、平成14年に法改正され現在の形のなりました。この法律の目的は、鳥獣の保護と適切な管理(鳥獣が及ぼす被害の防止)などです。対象は鳥類、哺乳類、ネズミ・モグラ類、海生哺乳類に属する野生動物(二ホンアシカ・アザラシ5種・ジュゴン以外の海生哺乳類、いえねずみ類3種は対象外)で、罰則は懲役1年又は100万円以下の罰金です。

マーモット

【特徴】:哺乳類齧歯目リス科マーモット属に分類される動物の総称 

     分布(ロッキー山脈、アルプス山脈ピレネー山脈など)                   

     体長30~70㎝  体重3~7㎏  寿命12~18年(飼育下)

     生態 ・大型のリスで短いが丈夫な脚、穴掘りに適した大きな爪、頑丈な体を持つ。

        ・環境によって毛色が異なり、草原など開けた地に生息している種は淡い色の個体が多く、森林地帯に生息している種は暗い色の個体が多い。

        ・群れで行動し土中や岩の間などに巣穴を作る。冬季は冬眠する。

        ・危険が迫るとホイッスルのような警戒音でお互いに知らせ合う。

        ・草食性で草、野菜、果物、コケ、地衣類、木の根、花を食べる。

 

【性格】:高度な社会性を持ち警戒心が強い、温厚で仲間同士のコミュニケーションを大切にする。

  

【価格】:相場は50~100万円

リスザル

【特徴】:哺乳類霊長目オマキザル科リスザル属を構成する霊長類の総称 

     分布(コロンビア南部、フランス領ギニアボリビア、ブラジル中央部)

     体長23~35㎝  体重0.6~1㎏  寿命10~20年(飼育下)

     生態 ・体色は黄色から黄褐色、耳、顔、胸毛が白く、口の周りが黒い。

        ・主に南米中部のアマゾン川流域に生息し、群れを作って生活している。

        ・樹上では尻尾でバランスを取り、素早く移動することができる。

        ・手のひらと足からしか汗をかくことができない。

        ・果物、野菜、肉、昆虫、モンキーフード、ドッグフード、乳製品などを食べる。

 

【性格】:感性が豊かで好奇心旺盛、人懐っこく寂しがり屋。コミュニケーション能力が高くなつきやすいです。

 

【価格】:相場は40~60万円くらいです。

ミーアキャット

【特徴】:哺乳類綱食肉目マングース科スリカータ属に分類される食肉類 

     分布(南アフリカボツワナアンゴラナミビア

     体長25~35㎝  体重0.6~1㎏  寿命10~15年(飼育下)

     生態 ・背面は黄褐色や灰褐色や灰白色で、暗褐色の横縞が入る。

        ・石や岩の多い荒地やサバンナに生息し、地中に直径10㎝の巣穴を掘って生活する。

        ・太陽に向かって尾を支えにして直立し、体を温める習性を持つ。

        ・群れには1組の優位オスと優位メスがいて、このペアのみが繁殖活動を行う。

        ・昆虫、爬虫類、小型哺乳類、鳥類、果物、野菜、キャットフードなどを食べる。

 

【性格】:警戒心が強くて用心深い、環境の変化に弱く慣れるまで時間がかかります。好奇心旺盛で寂しがり屋な一面も。

 

【価格】:相場は15~40万円くらいです。         

ワラビー 

【特徴】:哺乳類(有袋類)双前歯目カンガルー科カンガルー属 

     分布(オーストラリア、ニュージーランドブリテン諸島オアフ島

     体長25~75㎝  体重25㎏以下  寿命10~15年(飼育下)

     生態 ・生物学的にカンガルーとの明確な区別は存在しない。

        ・一般的に種の平均が25㎏以下のものがワラビーと呼ばれている。

        ・後ろ足で跳躍して移動をする、育児嚢で子育てをするなど基本的な習性はカンガルーと同じである。

        ・森林地帯や岩の多い地域、半乾燥地帯の広大な草地、都市近郊の森林地帯など様々な環境に適応し幅広く分布する。

        ・野菜、果物、牧草、ペレット(草食動物用)などを食べる。

 

【性格】:臆病で神経質、野性味が強くて懐きにくいが好奇心旺盛でどんなことに対してもすぐに興味を持つ。

    

【価格】:相場は15~60万円

ナマケモノ

【特徴】:哺乳類(変温動物) 有家目 ナマケモノ亜目 夜行性 草食性

     分布(南アメリカ、中央アメリカの熱帯林)

     体長40~75㎝  体重4~8㎏  寿命30~40年(飼育下)

     生態 ・四肢が長く、前脚の方が後脚より長く発達している。長い鉤爪を持つ。

        ・基本的に単独で行動し、繁殖期を除いて互いに交流することはほとんどない。

        ・生涯のほとんどを樹上で過ごす。週に1度程度、地上に降りてきて、排泄を行う。

        ・地上での動きは鈍いが、泳ぎは上手。変温動物で温度変化に非常に敏感。

        ・葉、果物、新芽、コケをなどを食べる。*少食で1日に食べる量は8~10g程度

 

【性格】:温厚で大人しい、野生では単独で行動するため社会性はあまりありません争いを好まず、ストレスに弱い。

 

【価格】:70~200万円くらいです。

カピバラ

【特徴】:哺乳類 齧歯目 テンジクネズミ科 カピバラ属 夜行性  草食性

     分布(南米のほぼ全域)

     体長100~135㎝  体重35~65㎏  寿命8~12年(飼育下)

     生態 ・体毛はタワシのように硬く長い、体毛の密度が低いため、水を弾き易く乾きやすい。

        ・南アメリカ東部アマゾン川流域を中心とした、温暖な水辺に生息している。

        ・泳ぎは得意だが雨に濡れることは好まない。寒さが苦手。

        ・前歯は伸び続けるため、木や石を使って研ぐ必要がある。

        ・野菜、果物、イネ科の植物、ペレット(草食動物用)などを食べる。

 

【性格】:穏やかでマイペース、あまり攻撃的ではなく基本的に何事にも動じない。家族思いで人に懐きやすい。

 

【価格】:相場は60~80万円

コモンマーモセット

【特徴】:哺乳類 霊長目 オマキザル科 コモンマーモセット属 昼行性 雑食性

     分布(ブラジルの北東部、南東部)

     体長20~30㎝  体重200~500g  寿命10~18年(飼育下)

     生態 ・長い尾が特徴的で、体毛の色が多色で、茶色、灰色、黄色が混ざっている。

        ・大西洋岸の森林、内陸の半落葉樹林、サバンナの森や河川の森などに生息する。

        ・大家族で安定した群れを作り、その中で繁殖するのは数匹である。

        ・多くの場合は一夫一妻だが、一夫多妻、あるいは一妻多夫が観察されたこともある。

        ・昆虫が主食、モンキーフード、果物、樹液、種子、花などを食べる。

 

【性格】:臆病で警戒心が強い。温厚で知能も高いが気分屋な一面があり、躾には時間がかかる場合がある。

 

【価格】:相場は30~60万円

 

【飼うときの注意点】

  • エキゾチックアニマルを売ってるペットショップが少ない
  • 飼育に必要な用品が売ってない
  • 今後、条約や法律が変わる可能性がある。
  • ネット上にあまり情報が載ってない。
  • エキゾチックアニマルを診てくれる病院が少ない。
  • 動物本体や環境整備などにお金がかかる。
  • 部屋の温度を調整する必要がある。

【まとめ】 

 最後までご覧いただきありがとうございました。今回は日本で飼えるエキゾチックアニマルについて紹介しました。エキゾチックアニマルを飼育するは法律や条約が変わったり、飼育費用がかかったり何かと苦労することが多いですが、それ以上にエキゾチックアニマルは魅力的で愛らしいです。エキゾチックアニマルを家族にしたいという人は、飼育方法についてしっかり調べ、なるべくストレスの少ない環境を整えてあげましょう。

『現生の恐竜』コモドドラゴンについて徹底解説!

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当記事では、コモドドラゴンコモドオオトカゲ)について解説しています。特徴、歴史、性格についてまとめているのでは、興味のある方は是非最後までご覧ください。

コモドドラゴンの特徴

学名 Varanus komodoensis

爬虫網有鱗目オオトカゲ科オオトカゲ属に分類されるトカゲ

分布(コモド島、リンチャ島、ギリダサミ島、ギリモタン島、フローレス島南部)

全長200~300㎝ 頭胴長70~130㎝ 体重70㎏前後

性質 ・世界で最も大きいトカゲ。最大全長313m 最大体重166㎏

   ・体色は暗灰色で、頸部や背面では褐色を帯びる個体もいる。

   ・頭部は小型で細長い。吻はやや太くて短く、吻先は幅広く丸みを帯びる。

   ・落葉樹林やサバンナ、雨期にのみ水がある河辺林などに生息している。

   ・薄明時から日光浴を行って体温を上げてから活動する。

   ・幼体は樹上棲傾向が強く、成体も大型の個体を除けば木に登ることもある。

   ・泳ぐことができ、450mの距離を泳いだり水深4mまで潜水したこともある。

   ・四肢は発達し、鋭い爪が生える。尾は側扁する。

   ・ヘモトキシン*1という強力な毒を持っている。

   ・嗅覚が優れ、4㎞先にある動物の死骸の臭いも察知することができる。

   ・小型の個体は樹洞や樹皮の下などを巣穴とし、中型の個体は地表のの穴を利用し、大型の個体は自分で穴を掘ったり他の動物の古巣を巣穴として利用する。

   ・5~8月に交尾を行い、9月になると斜面などに穴を掘り、1回に10~30個の卵を産む。

   ・卵は4月に孵化し、生後5~7年で性成熟すると考えられる。

   ・雌単体で単為生殖*2が可能。しかし、単為生殖で産まれてくる個体は全て雄だとされている。

   ・幼体の胴体には黄色い斑点が見られるが、成長に伴い消失する。

   ・主にイノシシ・水牛・シカなどの大型哺乳類を捕食するが、齧歯類・サル類・コウモリ類などの小型哺乳類、鳥類・爬虫類・昆虫なども捕食する。

コモドドラゴンの歴史

1910年、オランダ領東インド*3陸軍の中尉であったジャック・カレル・アンリ・ファン・スタイン・ファン・ヘンスブルックはコモド島には「陸棲のワニ(ドラゴン・恐竜)が生息している。」という噂を耳にした。そこでヘンスブルック中尉はコモド島の調査に乗り出し、生息していたコモドドラゴンを発見した。ヘンスブルック中尉から複数の写真と2m以上の皮を受け取ったピーター・オウエンス*4がさらに精密な調査を行い、1912年にコモドドラゴンに関するの論文を発表した。コモドドラゴンは「Varanus komodoensis」という学名を付けられ、世界中で存在が知られるようになった。1926年にはアメリカ人のウィリアム・ダグラス・バーデン*5コモドドラゴンの標本を持ち帰るためにコモド島を訪れた。ウィリアム氏は12体の標本と2頭の生きた個体を持ち帰った。12体の標本のうち3体は剝製で、現在でもアメリカ自然史博物館*6に展示されている。20世紀半ば頃には2頭の生きた個体がヨーロッパに持ち込まれ、1927年に開園したロンドン動物園の爬虫類館に展示されていた。1970年にはインドネシア政府により生息地がコモド国立公園*7に指定され、1975年のワシントン条約*8発効時から、ワシントン条約附属書Ⅰに掲載されている。日本では、1942年に捕獲された2頭が日本海軍より昭和天皇香淳皇后に献上されている。2019年から愛玩目的での飼育が禁止されており、2024年時点ではヴァラヌス・コモドエンスィスとして特定動物に指定されている。

コモドオオトカゲの性格

野生下の個体は非常に獰猛で攻撃的、共食いをしたり人を襲う場合もある。

飼育下の個体は人懐っこく物怖じしない、特に雄は温厚な個体が多いといわれている。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。今回はコモドドラゴンコモドオオトカゲ)について解説しました。世界最大のトカゲと知られるコモドドラゴンは恐竜のような外見からコアなファンも多いといわれていますが、現在では、ワシントン条約附属書Ⅰに掲載されており、商業目的の国際取引が原則禁止されています。コモドドラゴンは危険性が高いため現地を訪れる際は細心の注意を払いましょう。

*1:プロテアーゼの作用によってフィブリンを分解する事で血液凝固を阻害し、血管系の細胞を破壊する事で出血を起こさせる毒素である。

*2:一般的に有性生殖する生物で雌が単独で子を作ること。

*3:現在のインドネシア全域を含む島嶼部。17世紀からオランダが進出し、初めは東インド会社を通して支配していたが、1799年から本格的な植民地化が進み、1949年にインドネシアが独立するまでオランダの支配は続いた。

*4:1849年~1922年。オランダのアムステルダム出身。軍人、科学者。ボゴール動物学博物館・植物園の館長。

*5:1898年~1978年。アメリカのニューヨーク州で誕生し、マンハッタンで育った。博物学者、映画製作者、作家。1926年にアメリカ自然史博物館の評議員会に選出された。

*6:ニューヨーク市マンハッタン区アッパー・ウエスト・サイドにある科学博物館。1869年に設立されて以降、自然科学・博物学に関わる多くの標本・資料を所蔵・公開している。

*7:コモド島、リンチャ島、パダール島を含む、173.5㎢の面積を有する公園である。

*8:種の絶滅を防ぐため、国際取引の制限が必要と考えられる野生動植物の種を附属書にリストアップする。必要とされる規制の内容に応じて3つに区分(附属書Ⅰ~Ⅲ)されている。

猫と五大宗教の関係について! それぞれの宗教の特徴も!

 

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当記事では、猫と五大宗教の関係について解説しています。それぞれの宗教の特徴についても簡単にまとめているので、興味のある方は是非最後までご覧ください。

キリスト教

【特徴】:創始者 イエスとその弟子たち   聖典 旧約聖書新約聖書

     信者数 約24億人(世界人口の3分の1がキリスト教徒)

     宗派 カトリックプロテスタント正教会、その他

     主な教え 神が6日間で世界を創造し、7日目の休まれた(天地創造

          人類の先祖が禁断の果実を食べてしまい、原罪を背負うことになる(アダムとイブの楽園追放)

          イエスが十字架に磔にされて処刑されることで、原罪を償った。

          イエスを救世主(メシア)として信仰している。

          終末になるとキリストが再臨し、最後の審判を行う。

          自分を愛するように隣人を愛さなければならない(アガペー

         「父なる神」「神の子キリスト」「聖霊」を三位一体(唯一神)とする。

       

【猫との関わり】:キリスト教では神が造った人間のみが万物の頂点であり、動物は魂を待たないとされていた。3世紀頃から宗教画に猫が描かれるようになると、それ以降、聖書の内容を題材とした作品にはよく猫が登場するようになった。キリスト教では猫を神聖視する文化はないが、人々にとって猫は聖書の出来事を身近に感じさせてくれる存在であった。13世紀にはトマス・アクィナス*1神学大全で「人間は他の動物より上位の存在である」と明記したことにより、猫を大切にしなくても宗教上は問題ないことになった。だからといって猫が人々から迫害されることは少なく、むしろ中世の修道院や教会では猫を守護者とすることが多々あった。しかし、16世紀から猫は悪魔崇拝の象徴とし、魔女狩りが盛んになっていった。これは勢力拡大を狙う聖職者や権力者がキリスト教を唯一正しい宗教とするため、多くの宗教で信仰の対象となっていた猫を排除することで、異教を否定しようとしたためである。18世紀になると魔女狩り運動が沈静化していき、動物も大切にするべきという考えが広まっていった。19世紀以降は、ペットとして流行し、現在では非常に愛される存在となった。

イスラム

【特徴】:創始者 ムハンマド   聖典 クルアーンコーラン

     信者数 約20億人(現在、信者数が急激に増加している)

     宗派 スンニ派(多数派) シーア派(少数派) その他

     主な教え アッラーを唯一絶対の神としている。

          全人類の運命がアッラーのよって定められている(カダル)

          毎日5回、メッカの方向にお祈りする(サラート)

          豚肉・豚肉に由来する食品の禁止、飲酒禁止

          貧困者に富の一部を分け与える(ザカート)

          ラマダンの月に断食(サウム)を行う。*夜は飲食OK

          一生に一度、メッカ*2へ巡礼すること *必須ではない

           

【猫との関わり】:一神教では珍しく、イスラム教では猫をとても敬愛している。創始者預言者ムハンマドは愛猫家として知られており、『ムエザ』という名前の猫をとても大切にしていたとされ、ある日、ムハンマドが礼拝に行こうとするとムエザが礼拝服の袖の上で寝ていたため、ムハンマドはムエザを起こさないように礼拝服の袖を切り、片袖がない礼拝服で礼拝に出たという有名な逸話がある。ムハンマドは猫を家の中でクルアーンや本を齧るネズミを狩ってくれる有り難い存在とし、猫の虐待や殺害を固く禁じ、「猫への愛は信仰の一種である」と説いた。ムハンマドの教友(サハーバ)であり、『子猫の父』という名を持つアブー・フライラもとても猫を愛していたとされている。ある日、毒蛇がムハンマドに嚙みつこうとすると、アブーの飼っていた猫が咄嗟に毒蛇を嚙み殺しムハンマドを守った。ムハンマドは猫に感謝の気持ちを伝えるために額と背中をなでると、猫の額に縞模様があらわれたというお話が残っている。猫はこまめな毛繕いを行い清潔感を保つことから、イスラム教では清らかな動物と考えられ、礼拝堂(モスク)にも入ることも許されている。

ユダヤ教

【特徴】:創始者 モーセ  聖書 タナハ(旧約聖書) 

     信者数 1450~1740万人

     宗派 正統派、保守派、改革派、伝統派、シャブタイ派、その他

     主な教え ヤハウェを唯一絶対の神としている。

          死後の世界が存在するとされ、そこで悪が滅びる。

          神から与えられた律法(トーラー)を守ることで救済される。

          労働は神聖な行為だと考えられている。  

          週1回は安息日と呼ばれる休みを設ける必要がある。       

          救世主(メシア)が来臨し、人々を救うという預言がある。

          ユダヤ*3ヤハウェから選ばれた民である(選民思想

 

【猫との関わり】:ユダヤ教では、厳しい律法を設けており、動物に関する節約も少なくはなく「足にかぎづめのある生き物」は不浄な生き物だとされ、猫に対して悪い印象を持たないユダヤ教徒も少なくなかったされている。しかし、タルムード*4には、「もし、律法が与えられなかったら、我々は猫から謙虚を学んでいただろう」という記載があり、猫はラビ(ユダヤ教の指導者にあたる)からは尊重されていた。ユダヤ教で知恵文学の著者とされるソロモン王*5は「正しい人は自分のペットの命を考えなさい」と説いたといわれている。シナゴーグ(会堂)では、聖書がネズミに嚙まれないように猫を必ず飼っていたされている。中世でもキリスト教のように猫を迫害しなかったため、ペストの時もヨーロッパのように甚大な被害を受けなかったとされている。現在、イスラエルでは約200万匹の猫が生息数しており、都市や町でも猫を見かけることが多い。イスラエルは温暖気候は猫にとって過ごしやすく、野良猫に餌をあげるイスラエル人も多いため、猫の数が激増していった。近年、イスラエルでは猫の人気が高まったことで、様々な猫グッズが開発されている。

仏教

【特徴】:創始者 釈迦(ガウタマ・シッダールタ)   聖典 仏典(三蔵)

     信者数 約5億人(アジアを中心に信者数が増えている。)

     宗派 チベット仏教、中国仏教、上座部仏教真言宗天台宗浄土真宗法相宗、その他

     主な教え 神(天)とは天道の生物であり、生命の一種に位置付けられる。

          生命は悟りを開かない限り、無限に輪廻転生を繰り返す。

          物事の成立には原因と結果がある(因果)

          一切法*6は因縁によって生じたものだから実体がなく空しい

          悟りを開く為には法(ダルマ)を聞いて学ぶ必要がある。

          伝統的に多くの宗派では、三宝への帰依が求められる。

          仏教徒が守るべき道徳として五戒が定められている。

 

【猫との関わり】:元々、仏教で猫はあまり歓迎されていなかったとされ、猫を描いた涅槃図はほとんどない。さらに悪いことをすると猫に生まれ変わると書かれた仏典もある。しかし、歴史を見てみると国内外問わず猫好きな僧も多くいたといわれ、日本の仏教では大切な仏典を齧るネズミを狩ってくれる存在として受け入れられていき、外見の可愛さから少しずつ人気が高まっていった。時代が進むにつれて猫に悪いイメージを持つ仏教徒は減っていき、近年ではペットと一緒に入れる寺院も増えてきている。現在、日本各地に豪徳寺や御誕生寺などの猫と縁深い寺院(猫寺)があり、これらの寺院には猫にまつわる伝承が数多く残されている。日本では猫は魚好きのイメージが強いが、この考え方は世界では珍しく、ほとんどの国で猫は肉好きのイメージが強いといわれている。これは日本では仏教の影響で肉食を禁止した時代が何度かあったため、肉の代わりに魚を食べる機会が増えていった。この影響で日本に住んでいた猫も魚を食べるようになり、それを見た昔の日本人が「猫=魚が好き」と思うようになり、この考え方が後世にも伝わっていったとされている。

ヒンドゥー教

【特徴】:創始者 無し(バラモン教から発展)   聖典 ヴェーダ、バカヴァッド・ギーター、マハーバーラタラーマーヤナなど

     信者数 約11億人(全体の8割以上がインド人といわれている。)

     宗派 ヴィシュヌ派、シヴァ派、スマルタ派、シャクティ派、その他

     主な教え 多神教であり、多くの神々を信仰している。

          生命は何度も生まれ変わり、業によって次の来世が決まる。

          カースト制度という独自の身分制度を取り入れている。

          牛を神聖な動物とし、食べることを禁止している。

          ヨガは伝統的な修行方法とされ、瞑想を主とする。

          アヒンサー(非暴力、不殺生)を重要な教えとしている。

          ガンジス川を神格化しており、ガンジス川を流れる水は「聖なる水」とされている。

 

【猫との関わり】:ヒンドゥー教では「学問、商業の神」として信仰されているガネーシャが乗り物として使役している動物がネズミとされているため、ネズミを狩ってしまう猫はヒンドゥー教ではあまり好かれていない。さらに、ヒンドゥー教では唾液は穢れとみなされているため、身体を舐めて毛づくろいをする猫は穢れた動物とされることも多々ある。ヒンドゥー教徒の多いインドでは、ヤギや牛などたくさんの動物が外をうろついているが、猫はあまり見かけないといわれている。その理由は、現在でもインドでは宗教を理由に猫を避ける人が多く、猫の天敵である野犬も多いため、その影響で猫の数が増えないと考えられている。そもそも、日本や欧米と違いインドには動物をペットとして飼う文化が根強いていないので、猫を販売するペットショップやブリーダーなどが極端に少ない。更に、インドは格差社会として知られており、貧困層の割合も多い、猫を飼うにはある程度身分のある家庭ではないと難しく、もし猫を飼えたとしても、キャットフードやおもちゃなど猫グッズを売っている場所が少ないため、インドで猫を飼うのはとても苦労するとされている。

 

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。今回は猫と五大宗教の関わりについて解説してしました。宗教によっては猫に対するイメージは変わり、悪いイメージを持たれることも少なくありません。しかし、現代では世界中で動物愛護活動が活発となり、昔のように迫害されることは少なくなりました。

*1:スコラ学の代表的な神学者。イタリア出身、ドミニコ修道院からパリ大学の教授となる。アリストテレス哲学をキリスト教信仰に調和させて解釈し、信仰と理性の統一を目指した。

*2:イスラム教の聖地。ムハンマドが生まれた場所。

*3:ユダヤ教を信仰している者をユダヤ人と呼ぶ

*4:モーセが伝えたもう一つの律法とされる「口伝律法」を収めた文章群である。ユダヤ教徒の生活・信仰の基となっている。

*5:旧約聖書の「列王記」に登場する古代イスラエルの第3代の王。古代イスラエルの最盛期を築いた一方、堕落した王ともされる。

*6:すべての法の集合体、すべての存在、諸法とも