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当記事では、猫と五大宗教の関係について解説しています。それぞれの宗教の特徴についても簡単にまとめているので、興味のある方は是非最後までご覧ください。
キリスト教
【特徴】:創始者 イエスとその弟子たち 聖典 旧約聖書、新約聖書
信者数 約24億人(世界人口の3分の1がキリスト教徒)
主な教え 神が6日間で世界を創造し、7日目の休まれた(天地創造)
人類の先祖が禁断の果実を食べてしまい、原罪を背負うことになる(アダムとイブの楽園追放)
イエスが十字架に磔にされて処刑されることで、原罪を償った。
イエスを救世主(メシア)として信仰している。
終末になるとキリストが再臨し、最後の審判を行う。
自分を愛するように隣人を愛さなければならない(アガペー)
「父なる神」「神の子キリスト」「聖霊」を三位一体(唯一神)とする。
【猫との関わり】:キリスト教では神が造った人間のみが万物の頂点であり、動物は魂を待たないとされていた。3世紀頃から宗教画に猫が描かれるようになると、それ以降、聖書の内容を題材とした作品にはよく猫が登場するようになった。キリスト教では猫を神聖視する文化はないが、人々にとって猫は聖書の出来事を身近に感じさせてくれる存在であった。13世紀にはトマス・アクィナス*1が神学大全で「人間は他の動物より上位の存在である」と明記したことにより、猫を大切にしなくても宗教上は問題ないことになった。だからといって猫が人々から迫害されることは少なく、むしろ中世の修道院や教会では猫を守護者とすることが多々あった。しかし、16世紀から猫は悪魔崇拝の象徴とし、魔女狩りが盛んになっていった。これは勢力拡大を狙う聖職者や権力者がキリスト教を唯一正しい宗教とするため、多くの宗教で信仰の対象となっていた猫を排除することで、異教を否定しようとしたためである。18世紀になると魔女狩り運動が沈静化していき、動物も大切にするべきという考えが広まっていった。19世紀以降は、ペットとして流行し、現在では非常に愛される存在となった。
イスラム教
信者数 約20億人(現在、信者数が急激に増加している)
主な教え アッラーを唯一絶対の神としている。
全人類の運命がアッラーのよって定められている(カダル)
毎日5回、メッカの方向にお祈りする(サラート)
豚肉・豚肉に由来する食品の禁止、飲酒禁止
貧困者に富の一部を分け与える(ザカート)
ラマダンの月に断食(サウム)を行う。*夜は飲食OK
一生に一度、メッカ*2へ巡礼すること *必須ではない
【猫との関わり】:一神教では珍しく、イスラム教では猫をとても敬愛している。創始者で預言者のムハンマドは愛猫家として知られており、『ムエザ』という名前の猫をとても大切にしていたとされ、ある日、ムハンマドが礼拝に行こうとするとムエザが礼拝服の袖の上で寝ていたため、ムハンマドはムエザを起こさないように礼拝服の袖を切り、片袖がない礼拝服で礼拝に出たという有名な逸話がある。ムハンマドは猫を家の中でクルアーンや本を齧るネズミを狩ってくれる有り難い存在とし、猫の虐待や殺害を固く禁じ、「猫への愛は信仰の一種である」と説いた。ムハンマドの教友(サハーバ)であり、『子猫の父』という名を持つアブー・フライラもとても猫を愛していたとされている。ある日、毒蛇がムハンマドに嚙みつこうとすると、アブーの飼っていた猫が咄嗟に毒蛇を嚙み殺しムハンマドを守った。ムハンマドは猫に感謝の気持ちを伝えるために額と背中をなでると、猫の額に縞模様があらわれたというお話が残っている。猫はこまめな毛繕いを行い清潔感を保つことから、イスラム教では清らかな動物と考えられ、礼拝堂(モスク)にも入ることも許されている。
ユダヤ教
信者数 1450~1740万人
宗派 正統派、保守派、改革派、伝統派、シャブタイ派、その他
主な教え ヤハウェを唯一絶対の神としている。
死後の世界が存在するとされ、そこで悪が滅びる。
神から与えられた律法(トーラー)を守ることで救済される。
労働は神聖な行為だと考えられている。
週1回は安息日と呼ばれる休みを設ける必要がある。
救世主(メシア)が来臨し、人々を救うという預言がある。
【猫との関わり】:ユダヤ教では、厳しい律法を設けており、動物に関する節約も少なくはなく「足にかぎづめのある生き物」は不浄な生き物だとされ、猫に対して悪い印象を持たないユダヤ教徒も少なくなかったされている。しかし、タルムード*4には、「もし、律法が与えられなかったら、我々は猫から謙虚を学んでいただろう」という記載があり、猫はラビ(ユダヤ教の指導者にあたる)からは尊重されていた。ユダヤ教で知恵文学の著者とされるソロモン王*5は「正しい人は自分のペットの命を考えなさい」と説いたといわれている。シナゴーグ(会堂)では、聖書がネズミに嚙まれないように猫を必ず飼っていたされている。中世でもキリスト教のように猫を迫害しなかったため、ペストの時もヨーロッパのように甚大な被害を受けなかったとされている。現在、イスラエルでは約200万匹の猫が生息数しており、都市や町でも猫を見かけることが多い。イスラエルは温暖気候は猫にとって過ごしやすく、野良猫に餌をあげるイスラエル人も多いため、猫の数が激増していった。近年、イスラエルでは猫の人気が高まったことで、様々な猫グッズが開発されている。
仏教
【特徴】:創始者 釈迦(ガウタマ・シッダールタ) 聖典 仏典(三蔵)
信者数 約5億人(アジアを中心に信者数が増えている。)
宗派 チベット仏教、中国仏教、上座部仏教、真言宗、天台宗、浄土真宗、法相宗、その他
主な教え 神(天)とは天道の生物であり、生命の一種に位置付けられる。
生命は悟りを開かない限り、無限に輪廻転生を繰り返す。
物事の成立には原因と結果がある(因果)
悟りを開く為には法(ダルマ)を聞いて学ぶ必要がある。
伝統的に多くの宗派では、三宝への帰依が求められる。
仏教徒が守るべき道徳として五戒が定められている。
【猫との関わり】:元々、仏教で猫はあまり歓迎されていなかったとされ、猫を描いた涅槃図はほとんどない。さらに悪いことをすると猫に生まれ変わると書かれた仏典もある。しかし、歴史を見てみると国内外問わず猫好きな僧も多くいたといわれ、日本の仏教では大切な仏典を齧るネズミを狩ってくれる存在として受け入れられていき、外見の可愛さから少しずつ人気が高まっていった。時代が進むにつれて猫に悪いイメージを持つ仏教徒は減っていき、近年ではペットと一緒に入れる寺院も増えてきている。現在、日本各地に豪徳寺や御誕生寺などの猫と縁深い寺院(猫寺)があり、これらの寺院には猫にまつわる伝承が数多く残されている。日本では猫は魚好きのイメージが強いが、この考え方は世界では珍しく、ほとんどの国で猫は肉好きのイメージが強いといわれている。これは日本では仏教の影響で肉食を禁止した時代が何度かあったため、肉の代わりに魚を食べる機会が増えていった。この影響で日本に住んでいた猫も魚を食べるようになり、それを見た昔の日本人が「猫=魚が好き」と思うようになり、この考え方が後世にも伝わっていったとされている。
ヒンドゥー教
【特徴】:創始者 無し(バラモン教から発展) 聖典 ヴェーダ、バカヴァッド・ギーター、マハーバーラタ、ラーマーヤナなど
信者数 約11億人(全体の8割以上がインド人といわれている。)
宗派 ヴィシュヌ派、シヴァ派、スマルタ派、シャクティ派、その他
主な教え 多神教であり、多くの神々を信仰している。
生命は何度も生まれ変わり、業によって次の来世が決まる。
牛を神聖な動物とし、食べることを禁止している。
ヨガは伝統的な修行方法とされ、瞑想を主とする。
アヒンサー(非暴力、不殺生)を重要な教えとしている。
ガンジス川を神格化しており、ガンジス川を流れる水は「聖なる水」とされている。
【猫との関わり】:ヒンドゥー教では「学問、商業の神」として信仰されているガネーシャが乗り物として使役している動物がネズミとされているため、ネズミを狩ってしまう猫はヒンドゥー教ではあまり好かれていない。さらに、ヒンドゥー教では唾液は穢れとみなされているため、身体を舐めて毛づくろいをする猫は穢れた動物とされることも多々ある。ヒンドゥー教徒の多いインドでは、ヤギや牛などたくさんの動物が外をうろついているが、猫はあまり見かけないといわれている。その理由は、現在でもインドでは宗教を理由に猫を避ける人が多く、猫の天敵である野犬も多いため、その影響で猫の数が増えないと考えられている。そもそも、日本や欧米と違いインドには動物をペットとして飼う文化が根強いていないので、猫を販売するペットショップやブリーダーなどが極端に少ない。更に、インドは格差社会として知られており、貧困層の割合も多い、猫を飼うにはある程度身分のある家庭ではないと難しく、もし猫を飼えたとしても、キャットフードやおもちゃなど猫グッズを売っている場所が少ないため、インドで猫を飼うのはとても苦労するとされている。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。今回は猫と五大宗教の関わりについて解説してしました。宗教によっては猫に対するイメージは変わり、悪いイメージを持たれることも少なくありません。しかし、現代では世界中で動物愛護活動が活発となり、昔のように迫害されることは少なくなりました。