『サバンナの掃除屋』ハイエナについて解説! 特徴、歴史、性格、種類などについて!

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当記事では、ハイエナについて解説しています。特徴、歴史、性格、種類などについて解説しています。ハイエナについて詳しく知りたい方は是非最後までご覧ください。

ハイエナの特徴

哺乳網食肉目ハイエナ科に属する動物の総称である。

分布(コンゴ盆地およびサハラ砂漠を除くアフリカ、中東、モロッコ、インド、パキスタン、ネパール南部など)

体長55~165㎝ 体重9~86㎏ 

生態 ・現代では、ハイエナ科は4種に分けられている。

   ・イヌに似ているがハイエナ科はジャコウネコ科と近縁であるとされている。

   ・収束進化した結果、イヌ科に近い形態学的特徴を持つようになった。

   ・ネコ科動物のようにグルーミング(毛づくろい)をすることが多い。

   ・サバンナ、低木林、林縁の砂漠、半乾燥地帯などに生息している。

   ・基本的に夜行性で、昼間は穴や岩の隙間などで休息している。

   ・単独で行動する種もいれば、高い社会性を持ち群れを形成する種もいる。

   ・ネコ科動物のようにグルーミング(毛づくろい)をすることが多い。

   ・アードウルフ以外の種は強力な顎と頭蓋骨を持ち、食性に適した消化器形を持つ。

   ・嚙む力がとても強いので骨を噛み砕き、有機成分を消化吸収することができる。

   ・角、骨、蹄など消化できないものはペリットとして吐き戻す。

   ・鼻が良く、ニオイをたどって死肉などの餌を見つけることができる。

   ・ハイエナは短い期間で短い交尾を数回に渡り行う。

   ・ハイエナの最高時速は60㎞以上といわれている。

   ・狩りの成功率は60~70%といわれており、優れたハンターとされている。

   ・最大の天敵はライオンで、獲物を横取りされることも多い。

   ・雑食性で中型から大型の有蹄類、昆虫、鳥類、魚類、死肉、果物などを食べる。

ハイエナに関する伝承と歴史

アジアやアフリカの神話や民間伝承などにはハイエナがしばしば登場しているが、国や地域によってハイエナに対するイメージが大きく異なる。例えば、東アフリカのタブワ神話では、太陽を運んで地球を暖めてくれたありがたい存在として描写されているが、西アフリカの民間伝承では、ハイエナは不道徳、穢れの象徴として非常に否定的な目で見られることが多い、タンザニアでは、ハイエナは魔女の乗り物として使用されると信じられている。中東の文学や民間伝承では、裏切りや愚かさの象徴として描かれていおり、中東の遊牧民の間では、ハイエナはジンの化身とされ、ジンやカフタル*1と遭遇する神話や伝承が数多く存在している。アフガニスタンパレスチナ、インドにおけるハイエナのイメージはより多様であり、悪の象徴として恐れられることもあれば、愛と豊穣の象徴としての側面も持ち、昔の人々は様々な薬の材料として、ハイエナの肉体を利用していた。生殖器は愛の薬とされ、舌は腫瘍の治療薬として有効だと考えられていた。これらの風習は古代ギリシア古代ローマの時代からあったとされている。ハイエナは雄雌の外見上の区別が困難なため、両性具有であるという説も徐々に囁かれるようになり、古代から近代まで、ハイエナが両性具有であるか否かという論争がたびたび起こっていた。古代ギリシアの哲学者アリストテレスは著書『動物誌』で「ハイエナが両性具有である」という主張を否定した。しかし、古代ローマ博物学プリニウスは著書『博物誌』で「ハイエナは両性具有で交尾をしなくても出産できる。」と主張した。中世のキリスト教の間では、神を信仰しているのかいないのかはっきりしない中途半端な人に対して、ハイエナという蔑称が使用された。現代では、ハイエナが両性具有であるという完全に説は否定されている。

 

ハイエナの進化の過程

約2200万年前~1500万年前— ハイエナの最初の祖先は中新世のユーラシア大陸のジャングルで誕生した。この頃のハイエナのほとんどは樹上性で、アフリカのジャコウネコに似ていたしていたとされている。記載されている最古種のハイエナは中新世前期および中期の「Plioviverrops」、「Tungurictis」、そして「Protictitherium」である 。PlioviverropsとProtictitheriumはおそらく西アジアで誕生し、中新世中期以降、ヨーロッパと西アジアに広がっていった。Plioviverropsの系統は北米のイヌ科動物に近い進化を遂げ、外見もイヌ科動物に近くなっていった。その後、ハイエナたちは大きく分けて2つの異なるタイプに分かれた。一つは初期のジャコウネコ似た比較的小型なタイプのハイエナ(イクティテリウム亜科)、もう一つは現代の系統(ハイエナ亜科)である。約1500万年前~— 1500万年前、イクティテリウム亜科のハイエナは最盛期を迎え、30種類以上存在していたと考えられている。この時代の一部の化石遺跡では、イクティテリウム亜科のハイエナの化石が、他の肉食動物の化石を合わせた数より多く採掘されている。中新世後期には現代の系統であるハイエナ亜科が出現し始めたとされている。

 

約700万年~現代— 500~700万年前頃から気候変動の影響により、イクティテリウム亜科のハイエナは衰退し始め、さらに、イヌ科動物がアメリカ大陸からベーリング地峡を渡ってユーラシア大陸に到来したことで状況が悪化した。鮮新世になるとハイエナ科のほとんどはユーラシア大陸・アフリカ大陸に分布が限られている中で唯一、走るのに適した形態であるChasmaporthetes属だけがベーリング地峡を介して北アメリカまで分布を広げることに成功した。しかし、Chasmaporthetes属も更新世中期には絶滅してしまった。現代の系統であるハイエナ亜科は気候変動とイヌ科動物の到来を生き延び、イクティテリウム亜科を一掃したが、北米を渡ることはなかったといわれている。500万年前までにハイエナ亜科はユーラシア大陸で主要な腐肉食動物となり、主にマカイロドゥス亜科が狩った大型草食動物の死骸を食べていた。鮮新世までにイクティテリウム亜科のハイエナのほとんどは絶滅してしまい、イクティテリウム亜科の系統の内、生き残ったのは食虫性のアードウルフだけだとされている。

ハイエナの性格

・身体能力がとても高く、知能も霊長類と同等を誇るといわれている。

・仲間意識が強く、普段群れを作らない種も狩りなどでは協力することがある。

・飼育下の個体は人懐っこいが、野生下の個体は獰猛で攻撃的だとされている。

ハイエナの種類

アードウルフ・・・基本的に単独で行動し、縄張りを形成して生活している。

         昆虫食で、一晩で20万匹以上のシロアリを食べることもある。

         ハイエナ科最小種。繫殖期には一夫一妻の番をつくる。

 

カッショクハイエナ・・・時速4㎞で歩行するが、時速40~50㎞で走行することもできる。

            野生下では、カラハリ砂漠で12年以上の生存例が報告されている。

            主に動物の死骸を食べるが、甲虫類、鳥類の卵、果実などもも食べる。

            

シマハイエナ・・・ハイエナ科の中で唯一ユーラシア大陸にも分布している。

         単独で行動し、広大な縄張りを持つ。昼間は岩の隙間などで休む。

         外敵が近づくと、全身の毛を逆立て威嚇をする。

 

ブチハイエナ・・・12種類の鳴き声を使い分けていると考えられている。

         ハイエナ科最大種。雄より雌の方が一回り大きく攻撃性が高い。

         社会性が高く、10~15頭程度のクランと呼ばれる母系の群れを作る。

 

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。今回はハイエナについて解説しました。初期のハイエナ(イクティテリウム亜科)はジャコウネコに近く、現代のハイエナと比べると小型タイプだった。現代の顎の力が強いハイエナ(ハイエナ亜科)は気候変動を生き延び現在まで続いている。ハイエナは一般的に意地汚いなど悪いイメージを持たれるが、実際のハイエナは優れたハンターであり、頭が良く、高い身体能力を誇る。

 

*1:半分人間で半分ハイエナ。子どもを襲い食べる習性がある。